記憶 ―流星の刻印―
そして…
4つ目の流星は…、
遥か東の大地に落ち、
星屑から流れ出た水分は広い範囲の赤土に行き渡り、洪水を起こした。
水が引いた赤土の大地は豊かとなり、一面の草原となった。
「…それが、龍神…?」
龍神の、力…?
私に宿る、力…?
「…はい。残念ながら、彼に1番嫌われてしまっているのが、水を司る龍神なんです。」
母さんは、殺された。
それが理由で、殺された…?
「水を司る龍神に、どれほどの力があるかは僕も知りません。しかし、北の大地から押し出ようとする大量の水を、止める事が出来るとすれば…、彼にとって脅威なんです。」
氷上の主は、
母さんが私を身ごもった後だとは知らない。
龍神の刻印は絶えたと、
そう思っている…。
じゃあ…
じゃあ…
「…お前の存在を隠していた。それは詫びよう。しかし、お前の為でもあり、美々の願いでもあり、龍神様の存続の為でもあり…」
ババ様が、
久し振りに口を開いた。
「…そして、この四彩華の全土の民、平和な世界の存続の為でもある…」
「…………。」
事態は…、
私の想像を遥かに超えていた。