記憶 ―流星の刻印―
太磨と2人で話したかった。
確かめたかった。
太磨に対して、
最初は反発しかなかった。
でも、一緒に旅をして…
虎白もとても懐いていたし、
私も信頼し始めていた。
いつの間にか、
彼を頼りにしていた。
安心していたの…。
でも…、
だからこそ分からなくなった。
騙していた訳じゃない。
嘘をついた訳じゃない。
でも…
「……ねぇ。…太磨は、どこまで知っていたの…?」
確認しなくちゃ、
これまでのせっかくの関係が壊れてしまうと思ったの。
私の態度が、よそよそしくなる様な気がしたのよ。
それは…、
わざわざ私が説明しなくても、大人な太磨には伝わっていた。
「……そうだな…」
そう呟いて、
太磨は私の横に並んで座った。
「…俺は、中途半端な情報しか持ってなかった…。最初から全部知っておけば、もう少し…ちょっとはマシな状況になってたかもしれない…」
「………。」
「…嬢ちゃんが今…背負ってる辛さは、俺のせいだ…。ごめんな…」
辛そうに表情を曇らせて謝る太磨に、私は首を横に振るしか出来なかった。
別に、太磨のせいじゃないわ。
太磨だけの責任じゃない…。