記憶 ―流星の刻印―


太磨と2人で話したかった。
確かめたかった。

太磨に対して、
最初は反発しかなかった。

でも、一緒に旅をして…
虎白もとても懐いていたし、
私も信頼し始めていた。

いつの間にか、
彼を頼りにしていた。
安心していたの…。


でも…、
だからこそ分からなくなった。

騙していた訳じゃない。
嘘をついた訳じゃない。

でも…


「……ねぇ。…太磨は、どこまで知っていたの…?」

確認しなくちゃ、
これまでのせっかくの関係が壊れてしまうと思ったの。

私の態度が、よそよそしくなる様な気がしたのよ。

それは…、
わざわざ私が説明しなくても、大人な太磨には伝わっていた。


「……そうだな…」

そう呟いて、
太磨は私の横に並んで座った。


「…俺は、中途半端な情報しか持ってなかった…。最初から全部知っておけば、もう少し…ちょっとはマシな状況になってたかもしれない…」

「………。」

「…嬢ちゃんが今…背負ってる辛さは、俺のせいだ…。ごめんな…」

辛そうに表情を曇らせて謝る太磨に、私は首を横に振るしか出来なかった。

別に、太磨のせいじゃないわ。
太磨だけの責任じゃない…。


< 152 / 175 >

この作品をシェア

pagetop