記憶 ―流星の刻印―
「…石碑の内容は知ってた。8年前の事も…。朱い鳥を実際に見て、朱理に初めて会って…、俺も驚いた。」
溜め息を漏らして、
太磨は遠くを見ていた。
「…まさか…だったよ。伝承だと思ってた事が全部、本当なんだと…。朱理の肩に乗る『朱雀』を目にした時は、固まって動けなかったな…」
「…私もよ…」
そして、
その、すぐ後…
私に眠っていた龍神、
『青龍』が、顔を出した。
「……だから、悪かったな?周りはどう言おうと、俺は最初…『ただの子守』程度の軽い気持ちだった。」
「…いいの。私も軽い気持ちで旅に出たもの…。逆に、それが聞けて安心したわ…」
何だか、
ホッとしてしまったの。
真実を聞かされて、
ただ置いてきぼりの、
流されるままの私だった。
仲間が居た。
そんな親近感に近い感覚。
「…見抜かれた通り、嫌味を込めてたんだが、本当だったなぁ…『我が姫』…。」
「――あぁ、呼び方?」
「…そ。こうなっては…、立場上は敬意を込めるべきなんだろうが…」
敬意…?
太磨が、私に、敬意…?
「……いいわよ、今まで通りで!!…今更、気持ち悪いっ…」
「――ははっ!!だよな?嬢ちゃん。」