記憶 ―流星の刻印―


夢を見た…
多分、これは夢…


泣いている…
泣いているのは、誰…?

あなた?
あなたなの、青龍…?


あなたは、私。
私は、あなた…。


私は…、
真っ暗闇の宙を、
周りが見えない位の速度で、
駆けていた…

暗闇に、
時折…光が流れる。

多分、小さな光。
涙で視界がぼやける片隅で、
小さな光の点が、
一筋の線を作っていた。


ここは、どこ…?

これは…、宙…?


漠然とした負の想いで、
私の胸は潰れそうよ。


悲しい、悲しい、悲しい…
…失った、



全部ヲ、失ナッタ…
…モウ、帰レナイ…
悲シイ…

我ラ、
…何処ヘ行ク……?



私が駆ける、
その同じ速さで…

平行するのは、
4つの、光の粒…?



我ラ…、
星ヲ失イシ、流星…
行キ場ヲ無クシタ、星屑…



朱い光の粒、
黄色い光の粒、

1番先には…、
冷気に凍える白い光の粒…

私は…?

私は、
蒼い…、光の粒…。



…降リヨウ…
降リヨウ、降リヨウ…

新タナル地ヘ、降リヨウ…


――始メヨウ…



これは…、

私に宿りし龍神、
「青龍の記憶」…?


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