記憶 ―流星の刻印―
「…何だい、幾らも登っていないのに、もう弱音かい?軟弱だねぇ、最近の若い衆は…。」
若い衆に誰が含まれているのか、身に覚えのある私たちは顔を歪めた。
私と、虎白。
それと、私の横で同じく息を切らしている朱理。
「…妖術を禁止さえされなかったら…、僕1人位…朱雀にっ簡単に運んで貰えるものを…っ…はぁ…」
そう呟く朱理を、
ババ様は軽く嘲笑った。
「ひゃひゃ、妖術を使えば敵に位置を知られるだろうって。頑張んな、青二才。日頃、朱雀の力に頼るばかりの罰だよ。」
「……青二才…。酷いです…龍の巫女様まで…僕をそう呼ぶのですかっ…」
朱理は反撃足りない様だけど、普段達者な口も息を吐くので精一杯ね。
「…何だい、四獣を宿す新世代は、どいつもこいつも頼りないねぇ?ひゃひゃ…」
そう言い捨てて、
ババ様は前を行く太磨さえも抜いて行った。
「………む。」
「…世間知らずの揚羽さんと同類とはっ、心外ですねっ…!!」
「…はぁ!?この状況で、喧嘩ふっかけるなんてっ…!!あんたと争う無駄な体力を使ってる場合じゃないのよっ…。」
「…へぇ、僕以上に余裕ないんですねぇ?頼りないなぁ、龍神の主さんはっ…」