記憶 ―流星の刻印―
4・嫌味な保護者様
4・嫌味な保護者様
ねぇ、母さん。
私は自由を求めて、
生まれ育った村を出たわ。
初めての外の世界。
晴々しい、
ワクワクした気持ちで満たされても良いじゃない?
ねぇ、母さん。
もう村を出て大分歩いたから、
あの大地の中心にそびえる広大な山が、西の空から北西の方へと動いたの。
凄いでしょ?
山が動いて見えるなんて。
でも、母さん。
私ね、とっても不機嫌よ?
ババ様が私のお供につけた
「中年男」が、
…また、嫌な奴だった訳よ。
どうしてババ様は、
癖のある「お古」ばかりを、
私に与えるのかしらっ。
気分が台無しよ。
ねぇ、母さん。