記憶 ―流星の刻印―
6・無駄な休息
6・無駄な休息
母さん?
「国を越える」って、
……大変なのね?
というか、偉く面倒ね?
書類とか、身体検査とか、
身辺調査とか…
何だかよく分からない内に太磨が色々やってくれたけど。
母さんは、
国を越えた事あったのかしら?
そういえば、
聞いた事なかったわ。
当たり前の様に、
母さんもあの村で育って、
外の国へは出た事が無いんだと思っていたけど…、
どうなのかしらね。
もう母さんには聞けないから、
今度ババ様に会ったら、
聞いてみるわね?
母さんが昔、
私と同じ年齢くらいの時に、
何をして過ごしていたのか。
実は私と同じ様に、
旅に出ちゃったり…していた?
だって、
血は争えないって、
よく言うじゃない?