恋の方程式
夜。



私は寝付けなくて河原で涼んでいた。



「眠れないのか?」



「うん。彗も?」



「まぁな」



「彗、帰ってきてくれてありがとう」



「なんだよ急に」



「だって、彗が帰ってこなかったら、空が好きだって気が付かなかったから」



「あっそ」



「本当はね?彗が言うとおり、私と空はお互い好きだから付き合ってるわけじゃなかったの。ただの取引だったから」



「取引?」



「うん。空と付き合う代わりに、空が私のこと守ってくれる。それだけの取引。最初はただ空に甘えてただけだった。だけど、違かった。初めて会った時から、きっともう恋に落ちてたんだね」



「だから、俺の気持ちは受け入れられないって言いたいんだろ?」



「ごめんね」



「謝るなよ。帰ってきて教室で小春の顔見た瞬間にわかってたから。俺が入り込むすきがないってことは。まぁ、あいつが嫌になったら俺んとこにこいよ」



ちょっとバカにした笑顔。


きっと空に出会わなかったら好きになってた人。


『彗ー!なんで?なんで行っちゃうの?』


あれは彗がアメリカに行っちゃうとき。






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