エピソード オブ マイラブ

 あたしの名前は水城さくら。
 
『すごく可愛いわけもなく,ブサイクなわけでもなく。
 スタイルが良いわけでもなく,悪いわけでもなく。』
 一般的にはこう見られてるのかもしれない。
 だけど,あたしはポジティブの塊だから。全然気にしてない。
 自分を可愛いと思っていれば,次期に可愛くなってくるし。
 自分をスタイル抜群だと思ってれば,次期にスタイルも良くなってくるし。
 そう,思ってる。
 だから,今まであのコの名前知らなくてもやってこれたのかも。
 こんな思い込み療法は,あたしの親友あみな直伝。
 あみなは中学校入ってから仲良しになった。ぱっと見,ちょっと恐い人だった・・・雰囲気が。実際性格もきついし。第一印象は,『友達いなさそう。』ってサイアクだったんだけどね。
 みんな寄り付かなかったけど,班が同じになってあっさりと親友になった。美人でスタイル良くて超自慢。『なんで?』って聞いたら,『人間,みんな思い込みで成り立ってんのよ。だって,自分が可愛くないって思ってるコに可愛い子なんていないし,運動できないとかそういうの・・・全部自分の思い込みじゃない?実際できることもあるし,できるって思ってれば次期にできる時がくるんだよ。』って。ついでに,コレは初対面で言われた。そして,ズキューンと。
 最近,少しやせた気がする。身長も伸びた気がする。
 
 “最近,あのコと目の合う回数が多くなった気がする。”

 そう思うだけで,あたしは幸せ。

 ついでに・・・
 あたしは今中3だから,同じ学校で同じ学年でないカレは・・・
 中2.年下。
 だから,あんまり会えないんだよね・・・
 カレの彼女だって,同じ学年だったらまだ良いんだ。
 だけど,どっちも年下。

 これからも,ポジティブに頑張る。そうするっきゃない。

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