好きな人は、
「どうした沢村、昨日一昨日のテンションと全然違うぞ。」
放課後、プリントを取りに職員室へ行くと、タケちゃんにそう言われた。
「ほっといてよー。」
「失恋でもしたかー?」
あっはっは、と笑いながら大声でからかうのは仮にも教師。
しかも今のセンチメンタルなあたしに対して、この人とんでもないこと言ったよ。
「……タケちゃんなんて、足の小指タンスにぶつけて苦しめば良い。」
「おい、教師に向かってなんて口の利き方だ。これ追加。」
言ってタケちゃんは、あたしが抱えてるプリントの上に、更にプリントを上乗せした。
軽く1.5倍のそれに、あたしのテンションは同じく1.5倍は急降下。
気分良さげに職員会議へ向かうタケちゃんを、キッと睨んでみたものの、力無い目には何の力も無かった。