好きな人は、
心臓が口から飛び出そうなくらいドキドキしていて、潤くんが言っていることを未だ完全には理解できなかった。
とりあえずこれ以上彼の目を見てたら心臓が破裂する。それは困る。出来ればもう少し長生きしたい。
「…帰り…ます………」
潤くんはあたしを待っててくれた。
部活が終わったあと、一時間以上。
可愛い可愛いマネージャーの誘いを、途中ではあるけど断って。
変な態度とっちゃった後も、わざわざ一度帰宅した後、若干ストーカーみたいだったけど、心配してついてきてくれていた。
それは、なんで?
あたしが女子だから?
それとも…………
「……じゃあ、また…」
自惚れやすいあたしだから
今、素直になれないあたしだから
答えを聞く心の準備は、まだ出来てない。