好きな人は、
…………うーわ。
『うん』って言ったよ、この人。
ガーン、とわたしの頭の上に空想の1000トン岩が落下した。
たしかに、毎回ドンマイな感じのお弁当だけどさ。
そんなアッサリ言われたら、今わたしが手に持っているこの箱は、何処へ行けばいいの。
「………三木先輩のばーか!」
とりあえず小学生のように叫んで屋上を飛び出すことしか出来なかったわたしは、確実に呆れられる対象だ。
我ながら馬鹿馬鹿しい。
でも、そうでもしなかったらこの一口も欠けていないお弁当をグラウンドに向かってブチ撒けてしまいそうだったから。
これの行き場は、三木先輩だけだったのに。
お花やら太陽やらウサギやら。
子供染みてる、行き場を失ったお弁当箱。
まるで、わたしみたいだ。