好きな人は、








トボトボと教室に戻ると、そこはやたらと騒がしかった。






久しぶりの、昼休みの教室。

三木先輩は明日からこの空間に戻っていくと言う。





…わたしは戻りたくないのに。








………たしかに、わたしには友達もいなくて教室に居場所も作れない臆病者だ。だからといって先輩を拘束する権利は無いわけで。わかってるよ、それは分かってるんだけど。





先輩があんなカンタンに言っちゃうから。


わたしにとっては大問題なのに。

昼休みの屋上が、唯一先輩と会える貴重な時間なのに。






単純なわたしは、また学校に来る意味が見えなくなっちゃうよ。






< 52 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop