好きな人は、
「……み、三木先輩って、絶対デリカシーについてとか考えて発言してないよねっ」
「麻衣も無いでしょ」
むぐ、否定できないけど。
「わたし、友達がいないから寂しくて先輩を呼び止めてるんじゃ無いよ」
たしかに独りぼっちで教室にいるのは寂しい。
だけど、それよりもっと寂しいことだってある。
寂しさだけじゃなくて、心にポッカリ穴が空くような
わたしを支える柱が折れちゃうような
"寂しい"の一言では言い表せない、なんとも言えない気持ちに襲われるのは、怖くて怖くて仕方がない。
「いつも言ってるじゃん。わたしは先輩が好きなの。だから、先輩に会いに来たいの」
友達作れっていうけどさ。
友達は三木先輩の代わりにはなれないよ。
だって、先輩はわたしの中では友達じゃないんだから。