好きな人は、

でも、溜め息混じりに言った彼の「ただでさえバカなのに最終学歴高校中退だったら、麻衣これから生きていけないでしょ」という言葉に我ながら納得。


ポジティブなわたしはこの言葉も一種の心配として受け取っとくよ。





「…あと…今は俺しか男の絡み無いから良いけど…これから先色んな男と会ったら俺なんてどうでもよくなる…とか考えたら、そんな好き好き言われても不安しか無いって」

「そんなこと絶対無いよ」

「でも考えんの。…分かんなよ、俺の気持ち」





あーもう、と三木先輩は照れくさそうに頭を掻いた。


今調子乗ったりおちょくったりしたら、先輩の加減を知らないラリアットが入りそうなので




「先輩」

「ん」

「………心臓が、うるさいよ。」

「……うるさい」




ちょっとだけ、言葉を濁してあげた。