私の小さな世界。




「夕夜、着替えたか?」

望が既に荷物をまとめて教室の外に居た。


「あ、待って!」

俺は急いでベルトを締めてブレザーを羽織り、荷物を持って望を追い掛けた。



昇降口には佐野と水城が居た。


「二人何してたの?」

佐野が靴を履きながら言った。

「夕夜が着替え遅くて」


「なんかすいません…」


何故待ってんだか…と思いつつ、目線は水城にいった。


目が合うと水城は小さく笑った。


(どした?)


って顔で。


そんな仕草に少しドキッとしてしまった。




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