私の小さな世界。




「送ってくよ、ほら、乗れ」


加藤はしゃがんで背中を見せる。


「いや、でも…」


「お前ちっこいから重くないよ」

「な……」


でも、確かに無理して歩けなくなるのも嫌だ。


素直に加藤の背中に乗る。



(わ…)


意外にガッチリしてる体。


(やっぱ男なんだなぁ…)


加藤の背中で揺られながら家に向かって行った。



決してなにか話していたわけじゃないけど、加藤の優しさにうちは気付いた。




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