失恋オブリガード








ケータイが鳴りっぱなしになったのは、翌日からのこと。




流れる音色は大好きだったはずのラブソング。





幸せな言葉を繰り返すそれは今の私にとっては雑音でしかなくて、マナーモードに切り替えた。





電話なんてしてきても、出るわけない、出れるわけ無い。






泣きすぎて、瞼も喉もそして心も



裂けるように痛いんだ。








治してよ、この痛み。


治せるもんなら治してよ。





もう一度、目尻にシワが出来るくらい笑わせれるのなら




もう一度、この喉から大きな笑い声を出させてくれるのなら





もう一度、この心を幸せで満たすことが出来るなら








やれるもんならやってみてよ。





「出来るわけ無いんだから…」








着信履歴は、全削除だ。


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