失恋オブリガード






だって龍平が優しすぎるから。




帰りが遅いときは先に寝ていて欲しいし、朝早いときだって眠ったまま見送ってくれて構わないのに。


私が龍平の生活を振り回してるみたいで。




そんな君を傷付けたくないのに、どうしても無理だから、何か質問されるのが怖くて怖くて仕方ない。




仕事してるときだって、"はやく帰らないと"とか"龍平を待たせてる"とかずっと考えちゃって、捗らなくて遅く終わる悪循環。





そして君は今の生活を「幸せ」だと言い切れないみたいだし。







なのに龍平は嫌な顔ひとつしたことないから




ずっと笑ってくれるから






罪悪感っていう錘に潰されて、じゃあもう仕事さえなくなってくれれば、って。




もっと定時に帰れる仕事を探そう、って。






「…そんなことしか考えられないんだよぉ………」



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