失恋オブリガード




そりゃあ体も固まるはずだよ、目の前で彼氏が他の女と抱き合ってチューしてんだから。




しかも、私の次に好きだとかいいながら。


そんなこと言われても悲しいだけで、嬉しくも何ともない、ただ単にサイテーのセリフだ。






ちょっともう、頼むから動いてよ私の足。


気付かれちゃったらどうするの、木だと思ってくれないかな遊具だと思ってくれないかな、そんな願い叶うわけない。





彼が気づくその前に、家に向かって走ってよ。











ガサガサッ








なにも今じゃなくて良いじゃない



最悪のタイミングで吹いた空気読めなさすぎる風に、コンビニ袋が揺れる。






ナオトはオネーサンの体を突き飛ばし、目の合った私の名前を呼んだ。




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