輝り道‐ヒカリミチ‐


「お茶入れるね♪」
「いや…いらないわ」

「あ、…はい」

思わず敬語になる私。

陽樹が
「座って。」
って目で訴えてくるので
ちょこんと
床に座る

「俺さぁ
全部思い出したんだよね」

「え?本当に?」

「ああ。
それと
俺は
もうひとつ
伝えたいことがあって
ここに来たんだ。」

「うん」

「…お前だけが―――」




“ズット好きだった”


泣きそうになった
「私も、陽樹が好き」


「うん…。
俺さ、
記憶喪失になる前も
お前が好きだったんだ。

そして
記憶喪失になってから
再び
お前を好きになった

俺が
水紅と付き合っていたのは
女よけにするため。

自分でも最低だと思う

自分を直す、
きっかけがほしかった。


ここに来たときに

こんなことやめようと
思わされた

俺のことで
泣いてくれているやつが
いるんだって

知ったから。


俺は
お前と
出逢うために
生まれて来たんだと思う。」


涙が止まらなかった
「…ぐすっ。ありがとぅ」

「こちらこそ、俺と出逢ってくれてありがとう。
つか、お前泣きすぎたから!
恥ずいし!」

「…はぁ?!陽樹、あのね~、この感動的なシーンを台無しにする気?」

「感動的って。ってか俺、告ってんだけど。返事は?」

「だぁから、私も好きって言ってんじゃん!」

「…っ//…そうじゃなくって//付き合ってください///」

「…しゃーないね、付き合ったろ♪」

「何様だよっ!」

「奈々緒様でーすっ♪」

「あ~そうかい。じゃあ自己中なお姫様、これからもよろしくな♪」

「フンっ。いいわよ、爺や。」

「俺、爺やかよ!!!」

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