世界一、可憐な恋

「“もしかして”ってどうゆうことなのよ。私にだって悩み事くらいあるに決まってるでしょ？」

ソフィーが呆れながら言うと、ジャックは小声でごめんなさいと呟いて草木に目を移した。


「見てください、ソフィーお嬢様！この花、もう芽を出したんですよ。この間植えたばかりだと言うのに！」

笑顔で嬉しそうに言葉を発するジャックに、ソフィーは思わずクスリ、と笑った。


「ジャック、貴方って本当に26歳？好きな事となると少年みたいよ」

「しょ、しょうがないでしょう！僕はこの庭の草木…いや、このお屋敷の中の植物、全てが好きなんですから」

この生き生きとしたもう27歳にもなる庭師を、ソフィーはじっと見つめていた。