世界一、可憐な恋
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「お嬢様、砂糖は?」
ミルクティーを用意しながら、
ソフィーの執事――ビルは尋ねた。
「――4つ」
平然とそう答えるソフィー。無愛想だが誰よりも面倒見の良いビルは、また尋ねる。
「入れすぎじゃ……?」
「いいの。甘いのが飲みたいの」
「……かしこまりました」
コロン、と角砂糖がミルクティーのカップに落ちた。すぐ見えてなくなる、砂糖。
また浮き上がる事は無い。
銀のスプーンで、カチャカチャと淡いベージュ色のミルクティーをかき混ぜる。
きっと、凄く甘いんだろう――