世界一、可憐な恋
ソフィーはそんな事を思い浮かべながら、スプーンを静かに置きカップを持った。
一口飲み込むと、独特の風味が舌を滑る。その中に、不自然な甘みが溶け合っていた。
「甘い……」
ふいに、そう呟く。
「“砂糖を4つ”と仰ったのは、
ソフィー様ですよ」
「解ってるわよ、ビル」
あまったるいミルクティーを全て無理やりに流し込んで、カップをそっと置いた。
「急に甘いものなんて、私には無理なのかしらね。」
ポツリと、誰にも聞こえぬ様に呟いた。
その時、勢いよく部屋のドアが開いた。ビルは迷惑そうにわざとらしくため息をつく。
「ビル君、ハーブ採れたよ」
優しげな、その声。
それは、庭師のジャック。