誠-変わらぬ想いの果て-
序章
「――――フフフ…」
月明かりに照らされ、太い木の枝に座る影が笑う。
ゆっくりと酒の入った杯を傾け、その影は空の彼方を見つめた。
「―――さぁ、準備は整った」
一度止まった歯車が再び動き出す。
運命の糸は果たしてどこへ繋がっている?
過去?
未来?
それとも――――今?
運命は決まっていない。
ならば―――自分から手繰り寄せるまで。