誠-変わらぬ想いの果て-
「ヤメテ!!ウワァッ!!」
必死にバタバタと抵抗するが、縄がほどけることはない。
まるでまな板の上の魚のようにビチビチと飛び跳ねるだけだ。
「ほら、連れていかれたくないなら吐いちまえよ」
「楽になるぜ?」
永倉と藤堂が肩をポンポンと叩き、首を左右に振った。
人体模型に涙があったとしたら、今は滝のように流しているだろう。
「ダカラナニモ………ヒッ!!」
人体模型は窓の外を見て、悲鳴を上げたかと思うと、次の瞬間……。
凄まじい早さで起き上がり、飛び跳ねながら去っていった。
「奏っ!!これは、一体」
「……………」
窓一面に外で木の葉が舞っている。
その後、校庭の方へ全ての葉が飛んでいった。
奏は答えることなく窓を開け、迷うことなくそこから飛び降りた。
ちなみに今いるのは三階だ。
だが、奏や珠樹は鬼であり、土方達も死者だ。
なんなく飛び降りることができた。