誠-変わらぬ想いの果て-
「―――鷹、今回のお前の報酬、半分は松原さんにやれよ?」
「え?」
「よし、そうと分かれば話は簡単。天狗、天狗っと」
奏は呆けている鷹を無視し、戸籍帳を凄い勢いでめくり始めた。
「奏、こっち!!ここ、ここ!!」
藤堂が今まで見ていた戸籍帳を机の上にバンッと乗せた。
指差す場所を見ると、確かに載っている。
「この間の天狗を抜かすと、太郎坊か木の葉天狗か」
「太郎坊はねぇよ。名前持ちは元老院に目をつけられるような真似はしねぇ」
鷹が口を挟んだ。
同族の鷹が言うことだから間違いない。
報酬カットの衝撃は案外簡単に乗り越えたようだ。
「っていうか、お前らそれを探すために戸籍帳見てたのか?パソコンで調べれば早かっただろうに」
『…………………』
図書館にシーンと静けさが訪れた。
「鷹、全額カット決定」
「な!!?なんでだよーっ!!」
なんでだよー、なんでだよーという鷹の悲痛な叫びが、静寂が訪れた図書館にこだました。
全額はさすがに可哀相だと思わなくもない土方達であった。