誠-変わらぬ想いの果て-



「木の葉天狗は総称よね。だけど、元老院が出てくると分かっている年長者はこんなすぐ分かるようなヘマはしない」


「ということは?」




みんなは目を合わせたかと思うと、さっと戸籍帳に目を戻し、山南はペラペラとページをめくった。




「ありました!!つい最近、と言っても80年前ですが、木の葉天狗に子ができています」


「本当だ!!」


「よっしゃ!!報酬いただき!!」


「酒っ!!酒買おうぜ!!」




まだ正体を特定しただけだというのに気が早い男達だ。


もう使い道を決めている。




「ま、たった80のひよっこだしね」


「お前ら、天狗なめてんのか?」




鷹は少し不機嫌な声を出したが、誰も気にとめなかった。


みんなすでに頭の中には酒か、休息かしかなかったのだ。


この世で大事なのは酒か休息。


そう大声で断言してもいいくらいだった。



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