誠-変わらぬ想いの果て-



「おい、一体どういうことだぁ?」


「なんだか僕達、完全に場違いな奴みたいですね。どうする?奏ちゃん」




沖田が奏の方を振り向いた。




「―――はぁ。おーい、そこのお二人さん。二人の世界を楽しんでいるとこ悪いけど、説明、してくれない?」




二人はやっとこっちの存在を思い出したようだ。




「私が幼い頃、山で遭難して、その時助けてくれたのが彼だったんです。それから彼のことが忘れられなくて………友達がこっくりさんに誘ってくれたんです」


「何を尋ねたんだ?」


「私の……その、好きな人は今どこにいるのですか、と」




由香里は顔を伏せ、恥ずかしそうにモゴモゴと言った。




聞いてるこっちが恥ずかしいわっ!!




「――僕、帰る。なんか馬鹿らしくなってきちゃった」


「僕も帰る。奏、帰ろ」




沖田と珠樹は刀をしまった。



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