誠-変わらぬ想いの果て-



ルンタッタと都槻の足取りは軽く、ズルズルと引きずられるようにして土方は連れていかれた。




安心してくださいね、土方さん。


干からびたミイラみたいになっても回収はしてあげますから。




奏はそちらに全く目もくれず、書類をめくった。


だんだんその瞳が剣呑さを帯びてきた。




「おい、奏」




後ろの障子ごしに小さなささやくような声が聞こえてきた。




「何?土方さん達ならもう行ったよ?」


「ふぅ〜。やっと行ったか」


「ツッキーまで来んだもん。焦ったぜ」


「いやぁ、また土方さんに助けられたな」


「毒は毒をもって対処しろってね?」




沖田さん、毒って……。


そして三人はそこで頷くという。


土方さん、かわいそ〜。




「ん?そういや、ツッキーの奴、新しい仕事って持ってきてたな」




みんなの目が奏の持つ書類に集められた。


奏は書類を縁側に並べた。



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