誠-変わらぬ想いの果て-
「とりあえず、その身の程知らずさんの所へ行こうか」
「学校は?」
藤堂がポカンとして奏に尋ねた。
奏の言い方からして、今にも行きそうな雰囲気だ。
「行くよ?今日は休みでしょ?休日返上だよ」
『えーっ!!』
休日返上の言葉が出てきて、斎藤以外は不満たらたらの声をあげた。
斎藤以外と言っても、不満をあげなさそうな面子は斎藤以外、今みんな出払っている。
「別にいいけど。でも、あんまり長引かせるとレオン様が怒るよ?」
「え"。何で?」
レオンの名が出てきた途端、みんなの顔が分かりやすい程引きつった。
今度は斎藤ももれなく全員だ。
「だって、最終的に蠱毒を祓うのはレオン様だもん。レオン様にとってしても、今回のことは愚か者のする事とされてるだろうしねぇ」
「それって、俺達にとばっちりが来るってことか?」
「そう」
「冗談じゃねぇ」
「奏ちゃんが言ってた、バカな人間の後始末の嫌さがよっく分かったよ」
沖田の言葉に、みんながしみじみと頷いた。