誠-変わらぬ想いの果て-
「何で?すごくいいじゃん」
「あぁ。似合っていると思うぞ?」
「一君まで。………もう終わり!!仕事に集中!!」
無理矢理この話題を強制終了させた。
だが、奏は一つ心配事ができた。
珠樹、何でそんな沖田さん睨んでんの?
…………まさか。
まさかまさかと思って顔を上に向けると、沖田は笑っていた。
それも黒く、妖しく、輝かしく。
明らかに何かを企んでいる顔だ。
見なきゃよかった。
今更見たものは仕方ないのだが、そう思ってしまうのは止められない。
「おい〜。連れてきたぞ〜」
「あ、やっと来たみたいね。さっさと済ませましょ。あなた達も刀抜いてね?鷹、彼女をお願い。あんたらいつまでやってんの。カミーユ、あんたの好きな祭りが始まるよ」
ミエは的確に指示を出した後、屋敷にはられた結界を解いた。
「……………楽しみだなぁ」
沖田がニヤリと笑い、ふともらした声は、妖達が発した奇声によって誰の耳にも届くことはなかった。