誠-変わらぬ想いの果て-
その瞬間、待っていたとばかりに妖達が群れをなして屋敷に入ってきた。
美しく咲いていた花も、妖達の気にあてられて枯れたり、しぼんだりしてしまっている。
「ふふふふふ。面白い、面白いじゃないか」
カミーユの目は尋常じゃないくらいに輝いていた。
「なぁ、奏。邪魔しない方がいいんじゃないのか?」
「そうね。ミエ様も秋津もいることだし」
この二人もさも愉快愉快という風に妖達を蹴散らしていた。
たまに……結構頻繁に秋津がわざと攻撃を受けて、嬉しそうなのは見て見ぬフリだ。
グルルルルルルッ
低い唸り声がしたと思った瞬間、大きな犬が姿を現した。
女を睨みつけ、牙を剥いている。
「カミーユ、親玉来たよ」
「何て素晴らしい日なんだ、今日は!!」
レオンはこんな時にも関わらず、縁側で優雅にお茶を飲んでいた。
そこの空間だけ、まるで別次元のようだ。