誠-変わらぬ想いの果て-
「待てっ!!」
珠樹がその場に留めようと一歩足を進めたが、奏に止められた。
「奏っ!!何で止めるの!?」
「今のままじゃ、確かに私達に勝ち目はない。もっと力をつけなきゃ」
「………」
珠樹は力なくうなだれた。
「奏、蛇神の社を壊した罪も、あの男にはかかってるんだけど」
レオンが紅茶に口をつけながら奏の方を見た。
「レオン様、あの男は私達が始末します。ですから……」
「分かったよ。邪魔はしない。僕もそこまで暇じゃないしね」
「ありがとうございます」
奏は深々と頭を下げた。
「ほら、蛇神の件は片付いたよ。あとはそっち。あと1分で片付けて」
まだ戦闘中の三人に声をかけた。
だが、妖の量はいくら減ったとはいえ、1分で片付けられるようなものではない。
「あと1分て……あの量じゃ無理なんじゃねぇの?」
「君達もやるんだよ。何言ってるの?」
「………なるほどな」
「やっぱりか」
レオンに背中を押され、刀を抜いた永倉達。
それを見て、レオンは優雅なティータイムを再開した。