誠-変わらぬ想いの果て-
「おい、本当に大丈夫なのかよ」
「大丈夫、大丈夫。ミエ、ちょっとここを借りてもいいかな?」
「修理費はしっかりもらうからいいわよ。どうせまたすぐに壊れるんでしょうけど」
なんだか…話はまとまったようだ。
「さて、残るのはあなたね」
「…………」
奏が呆然としている女の方を向いた。
「レオン様、記憶を…」
「いいんじゃない?そのままで」
「はい?」
「だって、消しちゃったら、自分が作った妖のせいで人一人死んだっていうことまで忘れるんだよ?ちゃんと罪を償わせなきゃ」
言ってることは確かに正論だ。
何も間違っちゃいない。
だが、しかし………
「面倒臭がってませんよね?」
「……………」
ニコリ
そう音が出そうな笑顔だ。
「…………うん。じゃあ、鷹。家まで送り届けて」
「はいよ。ほら行くぞ」
「はい。あの…………ありがとうございました」
女は頭を下げて、鷹の後ろに続いた。
すると、セレイルが女を呼び止めた。