誠-変わらぬ想いの果て-
波瀾万丈の誕生日パーティー

拒否権?何、それ?




――――


今、屯所にいるのは奏にミエ、沖田、珠樹に戻ってきていた山崎、島田、松原、井上だ。


響や爺もいる。


あの後、三馬鹿は第二課へ直行し、斎藤も、あの三人だけでは、とついていった。


近藤と山南はまだ戻ってきておらず、土方に至っては果たして無事でいるかどうか……。


ちょっぴり心配にはなりかけていた。


そして、今現在、奏の頭を悩ませている現状がこれだ。




「あの、これ一体……」




さっきから、大広間で、しかもみんなの前で服を押し当てられている。


これで一体、何着目だろうか。




「ん?いや、あれが気にいらなかったんなら、他のを見繕おうと思って」


「いや、気に入る入らないの問題ではなくて」


「あら奏、聞いたわよ?斎藤さんから。あなた、守られたくないから女の格好はしないと言ったそうじゃない。戦えないのは嫌だからって」


「……言いましたね」




確かに一君にそう言った記憶はある。


あるけどもよ?


……………もしかして、一君。


逃げた?



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