誠-変わらぬ想いの果て-



その頃、斎藤は……




「クシュン!!」


「大丈夫か?」


「…あぁ」




お決まりのくしゃみをしていた。




――――




「だから澪ちゃんの誕生日に喧嘩ふっかけてくるような馬鹿はいないわよ。三大魔王の気に入りの姫よ?戦うなんてことにはならないし、ましてや守ってもらうなんてことにもならないわよ」


「ですが………」


「それともなぁに?奏は百五十年も私をほったらかしにして。戻ってきたと思ったら、我が儘の一つも聞いてくれないんだ?」


「いや、そういうわけでは…」


「ならいいわよね?」




堂々巡りだ。


その間にも、沖田や珠樹、響や爺はあぁでもない、こうでもないと、持ってきた衣装箱をあさくっていた。



沖田や珠樹など、嬉々として選んでいる。


山崎達はそんな彼らを止めることなく、ただ苦笑いをしながら見ているだけだ。


つまり、とりもなおさず、孤立無援の状態という訳だ。



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