誠-変わらぬ想いの果て-
プレゼントには心をこめて
―――次の日
ゴールデンウィークが明日からにせまった学校の放課後は、概して浮かれ気味の状態になる。
部活生は試合にいそしみ、そうでない生徒は計画立てに余念がない。
「ねぇねぇ。明日、どこか行かない?」
奏が携帯でこの辺りの大きな店を探していると、後ろから声をかけられた。
振り向くと、あづさが机から身を乗り出してきた。
「あづさ、部活は?」
「明日は休み♪明後日から試合が入ってるから、明日しかないんだぁ」
あづさはあの後、結局剣道のマネージャーになったらしい。
本当は募集してなかったんだけど、特別にだそうだ。
「この近くに最近新しくできた店があるんだけどね?行かない?…っていうより、ついてきてくれない?」
「いいよ。丁度誕生日プレゼントを買わなきゃと思ってたんだ。………あの人達もついてくるけど」
「?あ、いいよ、全然」
奏が廊下の方を見ると、丁度みんな集まっていた。
指差して聞くと、あづさは笑いながら頷いた。
奏がこちらに気づいたのに気づき、沖田達は教室のドアを開け、入ってきた。