誠-変わらぬ想いの果て-
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屯所に戻ってきた奏と響は、まだ響が夕飯を作るには早いと言うのでくつろいでいた。
そう言えば、土方の姿が見えない。
近藤と山南は出かけて、井上と松原、島田は道場にいた。
また都槻辺りに捕まったか。
難儀なことだ。
「響ー。楽しかったねー」
「はい。…あの格好は恥ずかしかったですけど」
響は屯所に戻ってくるなり、和服に着替えた。
あの後夕飯の買い物をし、あと二つ店を回ってあづさとは別れた。
欲しかったものが買えたらしく、帰る頃には恥ずかしさなど消えていた。
あれから一時間半。
もうそろそろ帰ってもおかしくない頃だ、彼らも。
「ただいまー」
「奏、ちょっと僕の執務室までおいで」
「げ」
レオンまでついてきていた。
しかも、全く嬉しくないお誘いまで。
だが、いつものごとく行かないという選択肢は用意されていなかった。
囚人よろしく、レオンの後をついていった。
奏が屯所に戻ってきたのは日付が変わってまもなくの頃。
部屋に入るなり、死んだように眠った。
自業自得、それにつきる。