誠-変わらぬ想いの果て-
狐かキツネか
感動の再会?
―――百五十年後
―――――チリン
ニャア〜ッ
――――――――トクン
大きな屋敷の部屋の中央に、一つの布団が敷いてある。
寝かされているのは肌が白く、それと対称的に艶やかな黒髪の美しい少女だ。
そばにはもう一人、どこか似た面差しがある少女が侍っている。
いくつもの季節をそうして迎え、過ぎ去らせていた。
しかし、それにも終わりの刻が来たようだ。
それまでピクリともせずに眠っていた少女がゆっくりと瞳を開き、辺りに視線を彷徨わせた。
「――――――おう…か?」
ギシリ
「…………………」
「――奏っ!!?
…おはようございますっ!!」
「――――響。…おはよう」
「――――――奏!!」
「奏様!!」
側に座っていた少女の目に涙が見え、しっかりと目の前の彼女を抱きしめた。
そして、その声を聞きつけるや否やバタバタと走ってくる音が聞こえ、叩きつけんばかりに勢いよく障子が開けられた。
「珠樹、爺、響。
――――おはよう」
『―――おはよう(ございます)!!』
奏は、唇を三日月型に上げた。