誠-変わらぬ想いの果て-



「何?この気は………つっ!!」




何者かが術をこちらに向けて放ったのが分かり、急いで左右に避けた。




「離せっ!!」




声の方を振り向くと、女が何やら鎧装束の者に腕を後ろ手に掴まれていた。


沖田はというと、訳が分からず、ただ事の成り行きを見守っている。


カサリと草を踏みしめる音が近づいてきた。


警戒して、二人は再び刀を構えた。




「ふぉっふぉっふぉっ。雷焔奏にまこと似ておる」




暗闇から一人の老人が姿を現した。




「……あんた、確か……」


「おぉ、知っておるか。安倍晴明じゃ。ほれ、奏じゃろう?わしが保護しておる。共に第六課の舎館に参ろう」




安倍晴明といえば、奏の主であるミエの主。


それにさっきの術。


式神に女を捕縛させる目眩ましなだけとは思えない程の威力を持っていた。


侮れないご老体と共に、二人は第六課の舎館へ向かった。



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