誠-変わらぬ想いの果て-
怒れる恐ろしい男達
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第六課の舎館には大まかに分けて、一般業務用と、治療・療養用の建物がある。
奏は後者の方の一室に寝かせられていた。
珠樹と沖田が到着した時にはすでに全員が揃っていた。
「奏!!」
「奏ちゃん!!」
二人がベッドの脇に駆け寄ると、奏の目蓋が震えた。
ゆっくりと目を開いて二人の姿を認めると、バッと身を起こし、抱きついてきた。
「奏?」
「どうしたの?」
二人共、慣れぬこと故に、大いに戸惑った。
いつもならば、抱きつくのは自分達で、あしらわれるのが常だ。
「珠樹、沖田さん…」
「よっぽど酷いこと言われたみたいだね。ちょっと行ってくるよ」
第五課舎館に連行されたらしき女に尋問をかけにいくのだろう。
レオンが身を翻して部屋を出ていった。