誠-変わらぬ想いの果て-
「晴明様、本当にありがとうございました」
「構わんよ。さ、澪姫様。この私と共に外に戻りましょう」
「まだここにいる〜」
「澪ちゃん。晴明様と一緒に出て」
「い〜やぁ〜」
ミエが鷹に目配せすると、鷹が動き、澪ちゃんを抱き上げた。
そのまま山南が開けた扉から出ていった。
「いやぁ!!いる〜!!」
「暴れんな。ほら、行くぞ」
「下りる〜!!下ろして〜!!」
澪ちゃんの叫び声がしばらく部屋の中まで届いた。
再び奏にみんなの視線が集まった。
「奏、何があったんだ?」
「少しずつでもいいから話して下さい」
土方と山南が奏に話しかけた。
珠樹と沖田の腕を掴んでいた手を僅かに緩めた。
「父様と母様に…化けた奴が……お前は一人になるって。……連れていかれそうになった時に安倍晴明が」
「ミエ、どこに行く?」
「総司、お前も」
「珠樹様」
「決まってるでしょ?レオンにだけ任せるわけにはいかないわ。私も行って絞めあげる」
そう言うと、三人は部屋から出ていった。
エリオルも奏の様子を一瞥した後、三人の後を追った。