誠-変わらぬ想いの果て-
「おいおい。どうしたんだよ。奏らしくねーなー」
「総司や珠樹が戻ってきてこの話聞いたら、俺達殺されちまうぜ」
永倉や藤堂が場の雰囲気を少しでも良くしようと、明るく声を張り上げた。
「あいつら、本当に奏のこと好きだかんな」
「それに俺達はもう死んでいるだろう?」
「わーっ!!一君、それは今はナシ!!事実だけどナシ!!」
斎藤の言葉に、藤堂は両手をバタバタと忙しなく動かした。
奏はそんな彼らを見て、クスッと軽く微笑んだ。
だが、それだけで皆はホッとできる。
「爺」
「はい」
「お茶が飲みたいから持ってきてくれる?あと、みんなの分も」
「私が行きます」
響がベッドの横の腰かけていた椅子から立ち上がろうとした時、奏が響の腕を掴んで座らせた。
そして、ゆっくりと幼い子に言い聞かせるように言う。