誠-変わらぬ想いの果て-
「ね?」
レオンの輝かんばかりの笑顔がそこにあった。
軽く首を横に傾げ、見てる分には微笑ましい状況だ。
もちろん、見てる分には。
実際当事者になってみると。
ね?の意味は……
「拷問なんて野蛮なこと僕がやるわけないじゃない。どうしてそんなことが分かんないの?いい加減僕に対する認識改めないとどうなるか分かんないよ?“ね?”」
に繋がる。
笑顔に隠されたものは
“生け贄を前にして舌なめずりをする魔王様の妖笑”
そのものだ。
「あ、いや、その……あは、あはははは」
「ま、いいや。その件は後でまたじっくりと一対一で聞くとして」
「え」
難を逃れたと思われたミエに、再び魔王様の微笑みを投げ掛けられた。
ミエは卒倒寸前だ。
「やっかいだね。敵は数できてる」
「どのくらい?」
「下手な奴も数打ちゃ当たる方式らしいね。ざっとこれほど」
表情をさっと引き締めた沖田に、レオンは自らの手で示した。
その数、五百。
しかも、今日は澪ちゃんの誕生日パーティー。
招待客との判別が難しい。