誠-変わらぬ想いの果て-



「招待客に知られないように始末をつけるには骨が折れる数だよね?」


「どうしたものか」




招待客の中には万が一の時、戦う術(スベ)を持っていない者も多くいる。


その上、今回は神籍に名を連ねる方々も少なからず姿を見せている。


事を荒立てて表沙汰にするのはまずい。




「ここにいたのか」




動きやすい狩衣に身を包んだ冥官、小野篁が影から現れた。


どうやら探していたらしい。


この第五課は職種柄、他より厳重な結界が張られている。


特に今は、それがさらに幾重にもここの空間だけ張り巡らされていたので、いくら篁といえどもそう簡単にすぐには見つけられなかったようだ。




「雷焔奏が動いたぞ」


『は!!?』




みんなの声が重なった。




「近藤さん達や音無さんがついてたじゃない」


「爺……目を離したのか」


「潮ちゃん!!レオン!!」


『今、探してる』




それぞれのやり方で二人は情報を集めだした。



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