誠-変わらぬ想いの果て-
「いたよ。不忍池だって」
さすが。
情報収集能力において、現在レオンの右に出る者はいない。
いや、これから先もいないだろう。
いたら逆に怖い。
レオンの頭の中の辞書にプライバシーという言葉が載っているのかどうか…大いに心配だ。
場所を聞くや否や、ミエはすでに門を繋げていた。
まるで違う門の向こうの光景に、違和感を感じながらも沖田と珠樹はその門を駆け足でくぐった。
「奏!!返事してよ!!」
「奏ちゃん!!どこいるの!?」
二人の呼びかけに応える声はない。
その代わり……
「騒がしいと思ったら、やっぱり君達二人だったんだ」
酷く落ち着いた声で話す、口元に薄い笑みを浮かべた男、雷焔、いや皇彼方の姿がそこにあった。
今探しているのは奏であるからして、目の前のこの男は邪魔者以外の何者でもない。