誠-変わらぬ想いの果て-
「今日はゲームのスタート合図をしに来たんだ」
「ゲーム?」
「そう。ゲーム。日本各地に眠る龍脈。そこに障気を流す。そうするとどうなると思う?」
「そんなの……」
全ての生物の死だ。
人はもちろん、動物も植物も。
「それを食い止められれば君達の勝ち。できなければ僕の勝ち」
「あんたの狙いは?」
「簡単なことだよ。つまらないから。それに……返してもらわないといけないものがあるからね」
だがこのゲーム。
一つだけ欠点がある。
それも最大の。
「私は別に構わないわ?元老院に被害がでるわけでも、私の大事にしている者が死ぬわけでもないし」
「人間に干渉するべからず。元老院の三大原則が一つだ」
「まぁ、栄えている一つの種族が消えても、また別の種が栄えるだけだしね?」
「盛者必衰の理をあらわす、だねぇ。強い奴に死なれたら困るけど。…って思ったけど、ここにいる沖田君みたいに引っ張ってくればいいっか」
元老院課長クラスは、全くもって興味がなかった。
ついでにミエも。
エリオルもまた、さして助ける義理もないと表情を変えない。