誠-変わらぬ想いの果て-
「エリオル。動いたらお腹すいちゃった」
「何か取ってくる」
「私のも頼むよ」
「お前は自分で行け」
「あれなんか美味しそうだよ?」
会場の中が一気に華やいだ空気になった気がした。
彼らが歩く先は自然と道ができる。
「かなでっ!!」
澪ちゃんも気づき、山南の腕の中から飛び降りて駆け寄った。
奏は腰を屈め、受けとめた。
「どうしました?そんなに慌てて」
「うぅ〜」
優しく背中を撫でていると、近藤達も歩いてきた。
「奏。お前なぁ〜」
「いい加減キレるぞ」
「分かった、分かった。それよりも後からみんなに聞きたいことあるから」
「聞きたいことだぁ?」
「土方さん、顔怖い。あ、元からか」
「奏。てめぇ…」
いつものように制裁を加えたいのはやまやまだが、いかんせん奏は澪ちゃんを抱いているのでできない。