誠-変わらぬ想いの果て-
「痛っ!!」
『平助ド〜ンマイ』
「何で俺なんだよ〜」
やはりいつものように犠牲になる藤堂の悲痛の叫びが木霊(コダマ)した。
「雷焔君。心配しましたよ」
「ただいまです」
「ただいまって……ふぅ。お帰りなさい」
山南は呆れつつも、やんわりと微笑んだ。
他のみんなも溜め息ついたり、肩を竦めたり。
「奏様…」
「あ、爺」
「どうぞ、お飲み物です!!」
お茶が飲みたいって言って遠ざけたこと、根に持ってるなぁ。
爺は怒りを隠せないようだ。
「爺、機嫌直してよ」
「奏…」
「うわぁ、響まで」
恨めしそうに見つめてくる響は間違いなく怒っている。
「あ、そうだ!!響が結界張れるようになってた!!」
「マジか!!?」
「すげぇじゃん!!」
「響も努力をしていた。その賜物だろう」
「え、えっと…ありがとうございます」
響は恥ずかしそうにほんのり顔を赤く染めた。
でもまんざらではないようで、奏に怒っていたことはどこへやらだ。